本当に慟哭しました。
凄い…うん、凄い話でした。
当たり前のように続くと思っていた毎日が、信じて疑わなかった幸せな明日が、ある時突然途絶えてしまったらいったい人はどうなってしまうのでしょう。大切な人を傷つけられた時、大切な人の命を奪われた時、ドロドロに渦巻くどす黒い思いをいったいどうすればいいのでしょう。
ぽっかり開いてしまった心の穴を憎しみで埋めることで崩れ落ちそうな自分を支えていくしかない時もある。でも、文明社会に生きる私達には自らの手で仇を討つことは許されていない。いくら犯人が悔い改めようと、死して罪を償おうと、犯した罪が、被害者の心の傷が、消えることはない。被害者は決して忘れることなどできない傷を抱えながらそれでも生きていかなければならない。
人が犯した罪は何をもって裁かれるのでしょうか。ずっと続いていくと信じた幸せが目の前で途絶えてしまった悲しみを何で癒せばいいのでしょうか。決して忘れることなんて出来ないのに。
やりきれない気持ちでいっぱいになる、そんな作品でした。読んだのは結構前(1~2年前?)ですが今でも鮮烈にあの時の感覚が蘇ります。
あぁ…痛い…。
貫井徳郎さん好きで、何作も読みました。
他の作品も、もう1度読み返してここで紹介してみようかな。
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